「ねぇ直月。技術教室棟の2階って、見回り必要かな?」
「もちろん」
「生徒が全然いないよ」
「専門学科の教室しかないし、昼休みに生徒が集まる場所じゃないからな」
「じゃあ、誰にも見られないでイチャイチャできるね」
「オマエみたいな不純な動機をもった奴がいないか、隅々まで確認する必要があるんだよ」
「相変わらず、冗談が通じないなぁ。好きな人に睨まれたら、私でも凹むんだから」
「口を尖らすな」
「うわぁ~」
「おっ、おい! 廊下は走っていい場所じゃないぞ」
「直月も近くで見てごらんよ。良い感じじゃない? この七夕の笹!」
「メンタルの回復が早っ。もう笑顔って」



