「そういえば直月先輩、まだ私、褒めてもらってないです」 「そうだったな」 「生徒の模範になるように、制服を着こなしてきました。早起きして、制服にアイロンだってかけたんですよ」 「偉いな」 えっ? ウソ? 笑った。 滅多に笑わない直月が。 柚葉ちゃんの目を見て。 真っ白な歯を光らせながら、ニコって。 「もっと心を込めて褒めてくださいよ」 「アハハ、生意気。僕にキャパオーバーなことを求めるな」 「直月先輩の笑顔、朝から見られて幸せです。風紀委員に入ってよかったです」