「褒めるだけなら、まぁいいけど」
ヒャッ?!
真顔ですんなり受け入れた!
「これからも君が、校則を守ってくれるなら」
あれ、直月が喜んでる?
ちょっとだけ口角が上がってるような……
清楚で優等生タイプの美少女だし。
なつかれて、舞い上がらない男子なんかいないか。
はぁぁぁ~、つくづく思うよ。
私が男を萌えキュンさせられる、お姫様顔だったら良かったのにって。
「さっきも言いましたが、私、1年の加藤柚葉です。この学園に加藤が多いので、柚葉って呼んでください」
「柚葉さんか。名前覚えた」
「うわぁ~、本当に嬉しいです。直月先輩に、名前呼ばれちゃった。私、泣いちゃいそう」
「なにそれ、大げさ」
「明日の朝も、褒めてくださいね」
「登校時間内に、門を通り過ぎたらな」
「もちろん、遅れずに来ますから」



