直月くんは、キケンな恋に沼りたい



「わっ私、1年の加藤柚葉(ゆずは)です。初めましてで……直月先輩にこんなお願いするのは……迷惑だってわかっているんですけど……」


「何?」


「私のこと……これから……ちゃんと見てもらえませんか?」



「……は?」



やばっ。

この子と直月が会話中なのに、私が驚き声を上げちゃった。


とりあえず、もう3歩下がろう。

貝殻になったつもりで、口をきつく閉じておくから。

二人の会話の邪魔をしないように。




「私、ちゃんと校則を守ってます。制服も乱してないし、スカートの長さだって規定内なんです。だから褒めてください!」


「ああ……、、、偉いな」



直月は、返事に困っているのが見え見え。

返事、棒読みだったし。


でも、てんぱりながら伝えてくるから、無下にはできないんだろうなぁ。