「ほら、リボン結んでやるから」
「……うん」
「素直に渡されると、なんか調子狂う」
そりゃぁ、しおらしくなっちゃうよ。
大好きな人との距離、近すぎなんだもん。
リボンを受け取った直月が、私の前に立った。
白シャツのえりの下に、リボンを通してくれている。
布越しでも感じてしまう、直月の指の感触に
「ひぃあ!」
私の首元が震えあがっちゃった。
「動いたら結べない」
わかてるよ、そんなこと。
でもね、私はドキドキする生き物なの。
好きな人が自分のテリトリーに、ガツンと入ってるだけで。
触れられただけで飛び跳ねちゃうのは
『恋の反射神経が抜群』だって
褒めて欲しいくらいなんだけどなぁ。



