おばあちゃんのこと、心配してくれていたんだ。
自分じゃない誰かのために、心を削ることができる直月。
心から尊敬だなぁ。
優しいことろ、ほんと大好き。
「でもさ……」
どうしたの?
表情を曇らせて。
「間違いだったな。病院で、僕が亜里沙にかけた言葉は」
それって……
「泣かないで偉いって、私に言ってくれたこと?」
「あの日さ、病室をのぞいたときに見たんだ。おばあさんが目を覚まさなかったらどうしようって大泣きしている妹を、亜里沙が一生懸命励ましているところ」
「そうだったんだね」
「この子も泣きたいはずなのに、偉ないって思った。それは本心だ。ただ……」
「ただ?」
「亜里沙が僕にお礼を言いに来てくれた時、どっちを選べばいいかわからなかったんだ。泣かないで偉いって褒めればいいのか、我慢しないで泣けばいいって僕の胸を貸すべきか」
……直月の胸かぁ。
胸の中でワンワン泣いたら、確かに幸せだったのかもしれない。
でもね……



