直月くんは、キケンな恋に沼りたい



しばらく沈黙を貫いていたら


「ねぇ、亜里沙」


申し訳なさそうな声が、私の耳に届いた。

目の前に座る直月は、なぜか険しい表情を浮かべている。


急に180度の表情転換は、やめてってば。

ほんと心臓に悪いから。


笑みが消えた直月から、何を言われちゃうんだろう?

私は肩をすぼめて、身構えてしまう。



「おばあさん、大丈夫だった?」


「えっ?」


「意識は取り戻した?」



あっ、その話か。

気を遣わせないように、笑顔を浮かべなきゃ。



「あの時はありがとう。直月のおかげで、今はもう元気だよ」


「退院したんだな」


「おばあちゃんは持病があるから、あれからも入退院を繰り返してはいるんだけど。つい先日退院して、親戚家族と暮らしているよ。私は一緒に住んでないんだけどね」


「そっか、ずっと気になってたから安心した」