直月くんは、キケンな恋に沼りたい



「できた」


「……ありがとう」


「僕が縛ってあげたんだ。絶対にほどかないように!」



ほら、そういうとこが罪。

真面目顔で、堂々と言いきっちゃう鈍感さ。

今私の心臓がキュンキュンしまくってるって、全く気付いてないでしょ?



直月は私に怒ってるだけ。


『明日からは校則を守れ。

 リボンは家から、自分で結んでこい』


そう伝えたかったんだと思うけど……



『絶対にほどかないように』なんて。


私の恋心が沸騰しそうになるくらい甘い言葉、言わないでよね。


わたしだってね、できることならずっと縛っておきたいよ。

大好きな人が結んでくれた、リボンだもん。



私の心も未来も、縛り付けてくれればいいのに……