直月くんは、キケンな恋に沼りたい



『マカロン?』





綺麗な桜色だ。

透明な小袋に、一つだけ入っている。



『春休みの課題をやり終えた自分へのご褒美に、ケーキ屋さんで買ったんだ』


『もっ、もらえないですよ。自分へのご褒美なんですよね? あなたが食べてください』


『僕は今、君にあげたいって思ったんだよ』


『……なっ、なんで?』



初対面だよ。

フードと長い髪で顔が隠れている、お化けみたいに不気味な私なんかに?



『マカロンって、真ん中にクリームが挟んであるだろ?』


『……隠れてますよね』


『病室で悲しみを必死に隠している君の姿が、マカロンみたいだなって思った。そういう人としての強さ、ほんとうに尊敬する』



私……褒められた?



『君のおばあさんが元気になることを、僕も祈ってるから』


『あっ、ありがとうございます』


『じゃあ』