直月くんは、キケンな恋に沼りたい



あっ……あれは……


会いたくなかったの。

毎朝校門のところに立っている、風紀委員の直月に。



『もう二度と、私に構わないで!』



昨日の朝、直月に怒鳴っちゃったから。

どんな顔をして直月の前を通ればいいか、わからなかったんだもん。



「でもでも先生、1限は自習でしたよ。2限の数学には間に合ったし。ギリセーフじゃん?」


「自習も立派な授業だ。昨日も登校してすぐ帰ったそうじゃないか。その前は1週間も学校をさぼって」



さぼりというか、心の休息だったんですよ。

失恋の辛さ、ほんとうに半端ないんだからね。