にしても、先生私のこと覚えてなさそう。

 微笑まれたと勘違いして以降、特に何のアクションもない。
てゆーか女子生徒に囲まれまくって近寄れない。

 まあ、私って別に覚えてもらえるような顔じゃないしな……。
 自分で言ってて虚しいけど。

 そんな私は現在、屋上でぼっち飯。
 何故かって?

 三奈も栞も彼氏と一緒だからだよ!!!!
 どーせ私はロンリーですよ!!全然寂しくないけどね!!


「あれ、先約いるじゃん」


 その時、背後からまた煙草の匂いが漂ってきた。


「誰かと思ったら、あんたか」

「陽生先生……っ」


 煙草を咥えた陽生先生が私の隣にやって来て、思わずドキッとしてしまう。

 あ、あれ?その言い方って……


「私のこと覚えてるんですか!?」

「え、そりゃもちろん」


 ままま、マジですか。
 てっきり忘れられてるものだと……。


「あれは忘れる方が無理じゃね?」

「えっ!?」

「これから赴任する高校の制服着た女子が、すげー最低野郎に因縁つけられてたらインパクト強すぎるでしょ」


 ああ、そういう意味ですね……。

 てかやっぱりあの時の「またね」はそういう意味だったんだ。