私が、羽那の首筋にある、
〝キスマーク〟を最初に見つけたのは、
中学1年生のころ。



ちょうど、私が幼なじみの、
藤原成一郎こと、成くんと付き合い始めたぐらいのとき。



私と成くんを羨ましがった羽那。



『はぁぁぁぁぁーーっ、私も恋したぁぁい!』
って毎日のように叫んでいて。



羽那は、
1つ年上のモテる先輩に〝恋〟をした。



告白を意気込んだ次の日。



つまり、羽那が告白する日。



私は、初めて、
羽那の首筋に〝キスマーク〟の印を見た。



彼氏を欲しがっているのに。



告白しようとしているのに。



わざわざ、
男の影を匂わすようなことを普通はしない。



だから、私は直感的に思った。



羽那にキスマークを付けた、
──────〝誰か〟がいるって。