〝ある場所〟は結婚式場。



今日、私とゆっくんは結婚する。



でも、──────苗字は変わらない。



ゆっくんも、〝穂坂〟だし。私も、〝穂坂〟



苗字は変わらないけど、
私とゆっくんは、
義姉弟から──────夫婦になる。



もちろん会場には、
子供を連れた、まこぴとなるいちろーさんの姿。



一生に一回の結婚式。



その場所で、私とゆっくんは。



「「愛を誓います」」



永遠の愛を誓った。



もちろん、──────誓いのキスをして。



でも、ゆっくんにはまだあって............



「あ、羽那。忘れてるだろ」

「え?なに?」



私が振り向いた途端、
──────ゆっくんは私に〝キスマーク〟をつけた。



それは、
会場のみんなに分かるような、絶妙な距離の角度。



しかも、しっかりちゃんと音を響かせている。



そんなことをするのは、
女の子にとっての初恋クラッシャーで。



私には反抗期だけど、
こっそり〝キスマーク〟をつけてるような。



そんな問題ありの義弟が、
──────義姉に独占欲強めな証拠。





◆◇END◇◆