『......羽那、ただい、』



そう言いながら、家の扉を開けると、
突然鳴らされたのは大きな音のクラッカー。



正直、なにごとだ?と思った。



『ゆっくん、おかーえりっ♪』

『は?クラッカー?なんかあったっけ?』

『さぁて!なんでしょー!』



なんのことか分からず驚く俺とは対照的に、めちゃくちゃ笑顔の羽那。



(やべぇ、今すぐ抱きしめてぇ、、、)



俺がそんなことを考えているとも知らずに、
俺の腕を引っ張ってリビングに連れて行く羽那。



『ゆっくんばーすでー、、、、、、?
あ、誕生日か、ふつーに、忘れてたわ』

『もー!ゆっくんが生まれてきた大切な日なのに!』

『いや、ただの誕生日だろ』

『ちーがーうー!大切な日!』



リビングに着くと、
〝ゆっくんばーすでー!〟と全て平仮名で書かれた文字。



羽那によると、俺の誕生日らしい。



俺、真面目に忘れてたわ。