「はぁーー、やべぇ、ムカつく、殴りてぇ」



俺は素直に言葉が出た。



「ダメ!それはだめだよ!ゆっくん!」



あいつにキスされてんのに、
殴ることは拒否する羽那。



羽那は出会ったときからそうだ。



どこまでも優しいお人よしの羽那。



羽那がお人よしすぎて、俺は嫉妬が抑えきれない。



「羽那、俺とキスする?」



羽那にキスの上書きしたくて、ダメ元で問いかけた俺。



「っ、ゆっくんとなら、する!!」



そう言って俺に飛びついて来た羽那。



羽那は無自覚かもしれないけど...............



「可愛すぎて、やべぇ、」



俺は口に出してから、
何度も何度も羽那に上書きするキスをした。



その間、羽那から漏れる甘い声は、
俺をますます──────嫉妬で狂わせた。



(あー、やっぱ、羽那にキスしたやつと、
同じクラスになんか、しておけねぇよ)



俺はそう心の中で思って、〝ある手〟を思いついた。