幼稚園から小学校まで。



俺が転校するまで一緒にいた幼なじみの羽那。



そんな羽那を夏休み前に、夏祭りに誘った。



そうしたら、
『うん決まった!ゆっくんと行く!』



そう言われて断られた。



羽那がいつも、
ゆっくん、ゆっくんと名前を呼ぶ男。



それは、羽那の弟。



弟と言っても、義理の弟。



つまり、血の繋がりはない姉弟。



そいつに負けたのは俺としては悔しかった。



学校では一定時間バラバラだとしても、
家に帰れば、羽那が常に側にいて。



言うならば、
俺からすれば手を出しやすい環境。



羽那からすれば、手を出されやすい環境。



なんなら、羽那の知らないところで出されてることすらずっと疑ってた。