「ゆっくん、チョコバナ飴ありがとう、」



私が小学生のとき、
初めてゆっくんと夏祭りに行った時も迷子になった。



今よりも身長が低かったゆっくんは、
私を探すのは凄く大変だったと思う。



でも、汗だくになりながら私を見つけてくれて。



差し出してくれたのはチョコバナ飴。



そのとき、
『面白そうな味だろ?』って言ってゆっくんが笑ってて。



屋台に行っても全然眼中になかったチョコバナ飴。



ゆっくんが買ってきてくれたから。



面白そうな味って思って、
食べてみたら、面白い味だし美味しくて。



それから好きになったチョコバナ飴。



お母さんが再婚した時、
私は、ゆっくんが苦手だった。



煩いって言って来たし、
無愛想な義理弟が出来たなって思って苦手意識ありまくりだった。



でも、夏祭りに行って以来、
ゆっくんといると楽しいって思って、
なんでも、どこでもゆっくんと行きたいと思った。



──────ゆっくんのことが大好きになった。