──────遡ること、1日前。



放課後に、事件は起きた。



「夏休みまで後2日だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



カウントダウンしながら、下駄箱までの廊下を歩いていることろで。



「おー、羽那!!」



手をあげて振りながら私を呼ぶよぎくんの姿。



「よぎくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ、うぶ、」



名前を呼びながらよぎくんに猪突猛進しようとしたところで。



突然前にタオルが見えたと思ったら口を塞がれたのだ。



「勢いやばすぎ」



その声のトーンで口を塞いだ犯人はすぐに分かった。



その犯人は、ゆっくんってこと。



優しいくせに、イジワルなゆっくんはまだまだ読めない。