体育祭が終わって、
王宮真子と話して家に帰ってきた俺。



玄関で靴を脱いで、
着替えようと思って自分の部屋に行ったとき。



『っ、ゆっくんてば、可愛いぃぃぃぃ!』



俺の部屋の中でぴょんぴょん跳ねて騒ぐ、羽那がいた。



羽那を見た瞬間、煩いよりも先に、
〝可愛い〟って気持ちになって。



このまま、
──────俺の部屋に閉じ込めたい。



そんな気持ちになった。



でも、そんなことしても、
羽那は嫌がるだろうから穏便に部屋から出そうとした。



『おーい、ふほーしんにゅー』



と声をかけて。



俺が名前を呼ぶと羽那は..............................



『...............っ、ゆっくん、』



静かに俺の名前を呼んで、ほんの少し視線を逸らしてきた。