【完結】鍵をかけた君との恋

 途中、陸は私の首に触れた。

「これ……外していい?」

 私の返事を待たずして、ペリッと剥がされる絆創膏。咄嗟に手で覆うけれど、その手もまた、指を絡めながら剥がされてしまう。

「まだ、痕残ってるんだね……」

 ググッと奥歯を噛み締めて、悔しそうにする陸に胸が詰まる。

 しかし驚いたのは、次の行動だ。

「え、陸っ」

 多少の痛みを伴うほど強く、深く、陸はそこに吸い付いた。どうしたらいいのかわからずに、私はただ目の前に見えた、彼の髪の毛を掴んでいた。

 唇を離した陸は言う。

「上書き」