凛花が塾へ向かった後も、私はひとり、店内に残ってシェイクを啜っていた。
窓の外を眺めながら、豪快に落馬していた陸を思う。
「陸、大丈夫だったかな……」
指は、携帯電話の画面を走った。
『陸、大丈夫?』
そう送れば、返事はすぐにきた。
『何が』
『騎馬戦』
『だから、騎馬戦の何』
平気なようだ。
『やっぱいいや』
『はあ?ていうかそれより』
『え?』
『今どこ?』
私がコンビニへ着くと、陸は壁沿いでチキンを咥えていた。
「こんな時間にそんなもん食べてたら、夕ご飯食べられなくなるよ」
陸が腰を下ろしていたから、私も隣に座る。
「仕事長引くって親から連絡きたから、晩飯は八時以降。よって、今チキン食っても大丈夫」
「じゃ、楓の分も買って行ってあげなよ」
「楓はまだ友達んちにいるとかで、帰ってきてねーわ」
「ふぅーん」
地面に落ちている小石を拾い、私はコンクリートに落書きをした。何を描きたいわけでもなかったけれど、手持ち無沙汰だったからなんとなく。
一本二本と線を引いていると、九本目の線で陸は言った。
「首のとこの絆創膏、どうしたの?」
窓の外を眺めながら、豪快に落馬していた陸を思う。
「陸、大丈夫だったかな……」
指は、携帯電話の画面を走った。
『陸、大丈夫?』
そう送れば、返事はすぐにきた。
『何が』
『騎馬戦』
『だから、騎馬戦の何』
平気なようだ。
『やっぱいいや』
『はあ?ていうかそれより』
『え?』
『今どこ?』
私がコンビニへ着くと、陸は壁沿いでチキンを咥えていた。
「こんな時間にそんなもん食べてたら、夕ご飯食べられなくなるよ」
陸が腰を下ろしていたから、私も隣に座る。
「仕事長引くって親から連絡きたから、晩飯は八時以降。よって、今チキン食っても大丈夫」
「じゃ、楓の分も買って行ってあげなよ」
「楓はまだ友達んちにいるとかで、帰ってきてねーわ」
「ふぅーん」
地面に落ちている小石を拾い、私はコンクリートに落書きをした。何を描きたいわけでもなかったけれど、手持ち無沙汰だったからなんとなく。
一本二本と線を引いていると、九本目の線で陸は言った。
「首のとこの絆創膏、どうしたの?」



