「お母さん。天国は本当にあった?痛みはない?辛くない?お母さんに逢いたいよ」
いつでも私は乃亜の側にいるわよ。いつもいつも、乃亜を見てる。乃亜、幸せになってね。
母の夢は、定期的に見る。病気で苦しんでいた最期とは打って変わって、夢の中での彼女はいつも笑顔だから、目覚めた時には泣いてしまう。もっと夢の中にいたかったって。
「乃亜、今日の放課後は、一度家に帰ってからうちに来る?」
勇太君は、今日も爽やかだ。
「うん。家にある問題集取ってから行くね」
彼が私の首筋に痕を残して以来、今日は初めて彼の家に行く。警戒してしまう、身構えてしまう。そんな自分を必死で隠す。
「糖分補給しよー」
勉強がひと段落すると、勇太君は可愛らしいケーキをふたつトレーに乗せて運んで来た。
「何このケーキ。美味しそう」
「これ、この前行ったカフェのケーキ。さっき乃亜が家に帰っている隙に、買ってきたんだ」
「え、二駅も先なのに?わざわざ電車乗ったの?」
「うん。昔食べて美味しかったのを覚えてたから、乃亜にも食べて欲しくってさ。乃亜がうちに来る一分前に、俺も滑り込みで帰って来た」
あははと屈託なく笑う彼。この人を本気で好きになれたなら、どれだけ幸せなのだろうと思う。
いつでも私は乃亜の側にいるわよ。いつもいつも、乃亜を見てる。乃亜、幸せになってね。
母の夢は、定期的に見る。病気で苦しんでいた最期とは打って変わって、夢の中での彼女はいつも笑顔だから、目覚めた時には泣いてしまう。もっと夢の中にいたかったって。
「乃亜、今日の放課後は、一度家に帰ってからうちに来る?」
勇太君は、今日も爽やかだ。
「うん。家にある問題集取ってから行くね」
彼が私の首筋に痕を残して以来、今日は初めて彼の家に行く。警戒してしまう、身構えてしまう。そんな自分を必死で隠す。
「糖分補給しよー」
勉強がひと段落すると、勇太君は可愛らしいケーキをふたつトレーに乗せて運んで来た。
「何このケーキ。美味しそう」
「これ、この前行ったカフェのケーキ。さっき乃亜が家に帰っている隙に、買ってきたんだ」
「え、二駅も先なのに?わざわざ電車乗ったの?」
「うん。昔食べて美味しかったのを覚えてたから、乃亜にも食べて欲しくってさ。乃亜がうちに来る一分前に、俺も滑り込みで帰って来た」
あははと屈託なく笑う彼。この人を本気で好きになれたなら、どれだけ幸せなのだろうと思う。



