【完結】鍵をかけた君との恋

 あれだけ強く抱きしめておいて、ベッドに私を横たえる時は、おもむろに静かに、まるでガラス細工でも扱うようだった。

 この先を予感して、心臓が萎縮して。けれど断る言葉を探す私の唇は、彼の唇で塞がれた。
 無意識に彼の胸板を押さえた両手。ドクドクと間髪入れずに打つ鼓動が、私の鼓動をも巻き込んでいく。

「ゆ、勇太君、私、汗いっぱいかいて──」

 彼に触れられた箇所から力が抜けて、抵抗にもならない手は彼の腕を緩く掴むだけ。

「気にならないよ」

 硬い腕、大きな手、熱い体、荒い呼吸。全てが新しい勇太君。
「大丈夫?」って聞いてくれた。「痛くない?」って気遣ってくれた。

 このドキドキは、初めてだからに決まってる。