私は、その言葉に何を返せばいいかわからなかった。陸と凛花、ふたりを天秤にかけるわけではないけれど、陸を取った際に凛花との関係が崩れるのがとても怖い。それだけは、絶対に避けたいと思った。
いつまでも黙りこくる私の側に来て、陸も天井に目を移す。
「諦めんな」
「え?」
「俺は乃亜に俺を諦めて欲しくない。俺は乃亜をもう二度と、諦めねぇ」
「でも、そしたら凛花を……」
「そんでもって凛花のことも諦めんな。お前等一体何年友達やってんだよ。もう十年は経つだろ。凛花が乃亜に愛想尽かすならとっくに尽かしてるし、お前等の友情なんて壊れてるよ。十年も隣にいてくれるってことは、乃亜のそういうとこ全部知って、何回も振り回されて、それでも友達やりたいからやってんだろ?俺と一緒だよ凛花は。乃亜の身勝手なとこも全部知った上で、悔しいけどずっと一緒にいてぇんだよ」
真顔のままにこちらを向いて、陸の親指がグッと立つ。
「だから安心して、話してこい」
しっかり説得されてしまい、こくこくと二回に分けて頷いた。そんな私に、彼は優しく微笑んだ。
「あ。そーいうの全部終わったらさ、俺、また乃亜に告白するわ」
ゲームを再開させた陸が言う。
「次は絶対、オッケーしろよ」
綿毛のように軽い口調でも、耳は薔薇のような深紅色。くすぐられるのはハートの真ん中、笑みが自然と溢れていく。
「陸の格好いい告白、待ってる」
「ハードルあげんな、ばーか」
色々な雑念を飛び越えて、その日を待ち遠しく思う。
いつまでも黙りこくる私の側に来て、陸も天井に目を移す。
「諦めんな」
「え?」
「俺は乃亜に俺を諦めて欲しくない。俺は乃亜をもう二度と、諦めねぇ」
「でも、そしたら凛花を……」
「そんでもって凛花のことも諦めんな。お前等一体何年友達やってんだよ。もう十年は経つだろ。凛花が乃亜に愛想尽かすならとっくに尽かしてるし、お前等の友情なんて壊れてるよ。十年も隣にいてくれるってことは、乃亜のそういうとこ全部知って、何回も振り回されて、それでも友達やりたいからやってんだろ?俺と一緒だよ凛花は。乃亜の身勝手なとこも全部知った上で、悔しいけどずっと一緒にいてぇんだよ」
真顔のままにこちらを向いて、陸の親指がグッと立つ。
「だから安心して、話してこい」
しっかり説得されてしまい、こくこくと二回に分けて頷いた。そんな私に、彼は優しく微笑んだ。
「あ。そーいうの全部終わったらさ、俺、また乃亜に告白するわ」
ゲームを再開させた陸が言う。
「次は絶対、オッケーしろよ」
綿毛のように軽い口調でも、耳は薔薇のような深紅色。くすぐられるのはハートの真ん中、笑みが自然と溢れていく。
「陸の格好いい告白、待ってる」
「ハードルあげんな、ばーか」
色々な雑念を飛び越えて、その日を待ち遠しく思う。



