眠りにつく前。卒業式の日に陸と撮った写真を眺めた。

 ふたりで想いを確かめ合った日。その想いに鍵をかけた日。凛花のことがあってからは削除しようか迷っていたけれど、今は無理に消さなくていいのかもしれない。

 瞳を閉じればまだ、瞼の裏には陸がいる。その姿が消えるまで、彼が私の心からいなくなる時まで。今は静かに、時へ身を委ねよう。