「そろそろみんな、校庭出てくね。私達も出る?」
疎らになってきた生徒を見て、凛花が言った。役立たずな私の黒目は、未だに目当てを発見できずにいる。
「乃亜、誰か探してるの?」
「陸って、もう校庭出ちゃったのかなあ」
「陸?陸なんか近所なんだから、いつでも会えるでしょ。お別れ言う必要なくない?」
「そうだけどさ」
「本当、あんた達の幼馴染愛はすごいね」
勇太君でさえ気付いた私のこの気持ちを、凛花はとうとう三年間知らぬままに終わった。
「やっぱいいや。帰ろっか」
後ろ髪を引かれたが、この場を離れることを決めた。
校庭からコンクリートに変わるギリギリの位置に立ち、凛花が言う。
「いっせーのせで、この線越えない?」
「うん」
「行くよ」
「「いっせーのっ──」」
さようなら、中学生の自分。
「「せ!」」
グレーの地面に着地して、ゆっくりと後ろを振り向けば、校舎はもう懐かしく思えてしまった。
「ばいばい中学!今までサンキュ!」
凛花は少し、涙ぐんでいる。私も叫んだ。
「いっぱい青春をありがとう!」
疎らになってきた生徒を見て、凛花が言った。役立たずな私の黒目は、未だに目当てを発見できずにいる。
「乃亜、誰か探してるの?」
「陸って、もう校庭出ちゃったのかなあ」
「陸?陸なんか近所なんだから、いつでも会えるでしょ。お別れ言う必要なくない?」
「そうだけどさ」
「本当、あんた達の幼馴染愛はすごいね」
勇太君でさえ気付いた私のこの気持ちを、凛花はとうとう三年間知らぬままに終わった。
「やっぱいいや。帰ろっか」
後ろ髪を引かれたが、この場を離れることを決めた。
校庭からコンクリートに変わるギリギリの位置に立ち、凛花が言う。
「いっせーのせで、この線越えない?」
「うん」
「行くよ」
「「いっせーのっ──」」
さようなら、中学生の自分。
「「せ!」」
グレーの地面に着地して、ゆっくりと後ろを振り向けば、校舎はもう懐かしく思えてしまった。
「ばいばい中学!今までサンキュ!」
凛花は少し、涙ぐんでいる。私も叫んだ。
「いっぱい青春をありがとう!」



