「男の格好してても中身は女の子なわけでしょ?
そそられるな」

「俺達と遊ぼうよ紫音ちゃん」


「離してっ!」


簡単に腕を捕まれ拘束された。

こんなところを見られたら、夜桜先輩悲しむだろうなぁ…。


また守れなかったって、きっと自分自身を責めてしまう。病んでたり悲しんでる夜桜先輩を見るのは絶対いやだ。


だから私は……


「先輩たち。やっぱり私と遊びましょう?」


「いいねぇー。てか男子校に来てる時点でとんだビッチってわけでしょ?」

「ヴァンパイアの俺らとすることは1つしかねぇよな。飛ぶほど気持ちいい吸血をしてやるから、たのしみにしてなぁ紫音ちゃん」


あーあ。

こんなところで使うなんて、本当は嫌だったのに…。


「さよなら。名も知らないヴァンパイアさん」


「おまっ……!」

「化け物がぁぁぁ!」


目の前にいるヴァンパイアたちは灰となって消えた。


私の瞳の中には十字架があった。


今まではずっと隠してきたから。
 
力を解放してしまったから、表に出てきてしまったのだ。