ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない

「オレ、夜目は結構聞くほうなんだよねぇ。
それに知ってる匂いがあったから」


「視力も良くて、誰か嗅ぎ分けることができるなんて、まるでヴァンパイアみたいだね」


翼お兄ちゃんみたいにカマをかけてみる。

白虎先輩は人間だろうけど、昼間におちょくられたお返しだ。


「そうだねぇ。だって、こんなに甘ーい匂いがしてたらヴァンパイアならわかるじゃん?ねえ、月城(つきしろ)紫音(しおん)ちゃん」


「っ……!」


なんで私の名前を!?と思ったけど、驚かずに警戒しつつ後ろに下がる。


「そんなに警戒しないでよぉ。
だって、キミが悪いんだよ?」


「僕が悪い?」


「そ。だって、そんなマカロンみたいに甘ったらしい匂いを出しまくって歩いてるんだもん。
ヴァンパイアだったら食べたくなるじゃん」


私からはやっぱり甘い匂いがするんだ。


それに、さっきから胸騒ぎがしてる。


「僕のことを狙ってるの?残念だったね。
僕は蒼炎にしか血をあげるつもりはないよ」


「その演技がいつまで続くか見ものだね」


「なっ!」


気がつくと、私の腕は白虎先輩の片手で動きを封じられていて。

近くにあった木に追いつめられていた。


「こういうの壁ドンっていうんだっけ?女の子としては嬉しいシチュエーションでしょ?」


「……」


こんなのが壁ドンだというなら、私は一生壁ドンがトラウマになるだろう。