ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない

「夜桜先輩〜!」


私は、大声で夜桜先輩の名前を何度も呼んだ。だが、返事はかえってこない。


当たり前だ。どこにいるかもわからないのに飛び出してきたから。


こんなところに都合良く夜桜先輩がいるわけない。もちろん、すぐに見つかったほうが助かるけど。


私のせい、だよね…。

あんなひどいこと言わなきゃよかったかな。


それとも私が女だから?


今日もいつものように翼お兄ちゃんが夜桜先輩の隣にいたら…そしたら夜桜先輩は食料にも困らないのに。


人間の食事だけじゃ満足できないことくらい馬鹿の私でもわかるよ。きっと今頃、夜桜先輩は苦しんでる。


……やばい。完全に迷ってしまった。


どこかの森の奥、私は来た道を見失った。夜桜先輩を探すのに夢中で帰り道のことなんか考えてなくて。
私、方向オンチなのに。


「あれぇ?翼、こんなとこでなーにやってんの?」


「白虎…どうして、ここに?」


怖くてその場にうずくまっていたら、白虎先輩がいた。


なんで?どうして?

こんなところに都合よく白虎先輩がいるなんて。


あやしすぎる。
こんな暗闇で私のことすぐにわかるなんて。