ワケありベビーと純真ママを一途な御曹司は溢れる深愛で離さない~君のすべてを愛してる~

(そうだ。わたしは、昴さんを裏切ったことになっている……)

「俺はずっと花蓮だけが好きだったし、それはいまでも変わらない。どんな噂を聞いたのか知らないけれど、冴子とのことは誤解だ。昔から仲良くさせてもらってるが、恋愛対象としてみたことはない。なんなら彼女に直接聞いてくれてもいいよ。きっと彼女もあり得ないと笑い飛ばすから」

ふたりの間にいた歩那が手を添えて「あーく、あくす」とはしゃいだ。

「はは、そうだな。握手しよう」

昴は目を細めると、花蓮と歩那の手をひとまとめにして握る。

「ようするにね、俺は花蓮がここにいるのが嬉しいんだよ。花蓮が嫌じゃなかったら、この先もずっといっしょに暮らしていきたいんだ」

「嫌なわけじゃ……」

そんなわけ無い。あるはずがない。

「だって、歩那もいるんですよ……?」

「もちろん、歩那の面倒も見させて欲しい。三人で暮らそう」

(三人で、暮らす?)

心から欲しいと願った言葉は、どこか現実味がなく聞こえた。
夢の続きを見ているのではないか。

「そんな、だって、でも……」

「ねぇ花蓮、俺の懺悔を聞いてくれる?」

昴は何を後悔しているのだろう。口元だけ薄く笑った表情はどこかさみしげだった。