(そうだ。わたしは、昴さんを裏切ったことになっている……)
「俺はずっと花蓮だけが好きだったし、それはいまでも変わらない。どんな噂を聞いたのか知らないけれど、冴子とのことは誤解だ。昔から仲良くさせてもらってるが、恋愛対象としてみたことはない。なんなら彼女に直接聞いてくれてもいいよ。きっと彼女もあり得ないと笑い飛ばすから」
ふたりの間にいた歩那が手を添えて「あーく、あくす」とはしゃいだ。
「はは、そうだな。握手しよう」
昴は目を細めると、花蓮と歩那の手をひとまとめにして握る。
「ようするにね、俺は花蓮がここにいるのが嬉しいんだよ。花蓮が嫌じゃなかったら、この先もずっといっしょに暮らしていきたいんだ」
「嫌なわけじゃ……」
そんなわけ無い。あるはずがない。
「だって、歩那もいるんですよ……?」
「もちろん、歩那の面倒も見させて欲しい。三人で暮らそう」
(三人で、暮らす?)
心から欲しいと願った言葉は、どこか現実味がなく聞こえた。
夢の続きを見ているのではないか。
「そんな、だって、でも……」
「ねぇ花蓮、俺の懺悔を聞いてくれる?」
昴は何を後悔しているのだろう。口元だけ薄く笑った表情はどこかさみしげだった。
「俺はずっと花蓮だけが好きだったし、それはいまでも変わらない。どんな噂を聞いたのか知らないけれど、冴子とのことは誤解だ。昔から仲良くさせてもらってるが、恋愛対象としてみたことはない。なんなら彼女に直接聞いてくれてもいいよ。きっと彼女もあり得ないと笑い飛ばすから」
ふたりの間にいた歩那が手を添えて「あーく、あくす」とはしゃいだ。
「はは、そうだな。握手しよう」
昴は目を細めると、花蓮と歩那の手をひとまとめにして握る。
「ようするにね、俺は花蓮がここにいるのが嬉しいんだよ。花蓮が嫌じゃなかったら、この先もずっといっしょに暮らしていきたいんだ」
「嫌なわけじゃ……」
そんなわけ無い。あるはずがない。
「だって、歩那もいるんですよ……?」
「もちろん、歩那の面倒も見させて欲しい。三人で暮らそう」
(三人で、暮らす?)
心から欲しいと願った言葉は、どこか現実味がなく聞こえた。
夢の続きを見ているのではないか。
「そんな、だって、でも……」
「ねぇ花蓮、俺の懺悔を聞いてくれる?」
昴は何を後悔しているのだろう。口元だけ薄く笑った表情はどこかさみしげだった。



