ここは愛原家のお庭。
お庭には縁側がありそこに屈みこんでいる一人の少女。
少女の名は愛原 日和(あいはらひより)高校1年生です。
これからするお話は日和が体験した切ないお話。



-回想-
日和が当時小学校5年生で飼育委員係になり兎の世話をしていた。
小学校に居た兎のチャッピーがまだ毛も生えていないで目も開いてない子兎を産んでいた。
そんな夏休みの事、その日は台風が来て激しい豪雨でした。
日和は合羽を着て視界が悪く飛ばされそうな中小学校まで走り子兎を助けに行った。
助かった子兎は全部で5匹だった。

『一度人間の匂いが付いた子兎を親兎は育てない。』

それを知っていた日和はその日から5匹の兎のお母さんになった。



日和は夏休み中と言う事でずっと子育てしてました。
数日後に子兎達は目を開けたと同時に日和を見た。
それから子兎達は日和の事を親と勘違いをした。
日和が小学校から帰ってくると玄関までお迎えし、日和が何処に行っても子兎達は着いて来た。
トイレもドアを開けると子兎達は我先にと入ろうとするので日和は苦笑いしながら

「入っちゃ駄目」

と言い外に出しおトイレに入っていた。



兎達は5匹それぞれに特徴があったのでそこから名前が付いた。
まずは白くて一番ふくよかな兎。
いつもみんなの頭が乗ってることからソファー君。
次は人一番食いしん坊な黒と白のぶちの兎コロちゃん。
いつも毛繕いをするお洒落な子白い兎のファンシーちゃん。
頭脳派ナンバー1てなくらい子兎の中でも一番頭の良い白と黒のぶち柄兎凛(りん)君
そして私が貰った女の子でいつもとろくてでも可愛い行動をする龍(りゅう)。



そんな子兎達も大きくなり、里親探しをする事になった。
台風の中助けた事もあり、あげる時は絶対幸せにしてくれる人と思っていた。
そのせいか弟の友人とか近所のお婆さんとかにあげた。
龍は愛原家のお庭の縁側の下にフェンスをしそこに小さな穴の開いた犬小屋を置き犬小屋の入り口はドアをつけてそこで飼った。
作ったのは日和のお父さんだった。
日和は中学校から帰ると龍を小屋から出し外で遊ばせてあげた。