「ああ。驚いた」

 何よりも、エルヴィアナが自分を喜ばせようとしてくれた気持ちが嬉しい。彼女たちはそれぞれプレゼントまで用意してくれていて。

「ありがとう、エリィ。君のおかげで良い誕生日になった」

 甘い表情を向けると、エルヴィアナは少し恥ずかしそうに目を逸らす。

 そのやり取りを傍目に、ルイスとリジーが話をした。

「クラウス様……本当に魅了魔法が解けたのでしょうか。あのご様子を見ていると疑問に思います」

 するとルイスが、いたずらに口角を持ち上げた。

「ふふ。彼の場合、もっと深刻な魔法にかかっているからね。もう手に負えないよ」
「――深刻な魔法、ですか?」
「ああ」