「…。何か御用ですか？」

と困った顔をする。
ファンクラブの中から千恵美が出て来て

「いくら同じ生徒会だからって勇璃君とべたべたするなんて許さないわよ。」

と那奈を指差し言う。
那奈は指を指されたとたん顔色を変えて手を平手で叩き

「私を指で指さないで！」

と言い囲まれてた中から出て走って去って行く。
千恵美は唖然としながら

「何？あれ…。」

と言う。
ファンクラブの中の一人が

「追い掛けますか？」

と唖然とした声で訪ねる。
千恵美は

「良いわ」

と良い教室に戻る。
ファンクラブの人々も戻る。



那奈は屋上まで上がりドアを開けて駆け込むとドアを閉めてよろよろ歩きぺたんと座り両耳を塞ぐ。
そして泣きながら

「ぐすっ…お父さん…ぐすっ…お母さん…」

と呼ぶ。



‐回想‐
二階で兄から勉強を教わりながら宿題をしている那奈。
宿題が終る頃に一階で物凄い音がする。
二人は走って階段を降りる。
ドアのガラスから中のリビングを覗くと両親が黒い服に黒いマスクを被った集団にナイフで数回刺されたり鉄砲を打たれ たりしていた。
兄は急いで那奈の目に手を当てた。
集団の一人が二人に気付きドアを開けると兄を摘み投げ飛ばし那奈のおでこに銃を当てると那奈は涙を流していた。
犯人は那奈が抵抗しないと察して那奈のおでこに当ててた銃を置き那奈に指を指し

「くふふっ両親の命は頂いた。じゃあな」

と低い声で言う。
お父さんはお母さんをかばう様にして二人は倒れ死んで行った。
兄は摘み投げ飛ばされた拍子に気絶し事件の記憶がない。
警察に電話出来たのは那奈だけだった。
那奈は震えながら１１０を押し涙を拭い震えた声を一生懸命押さえながら状況を話した。
警察は来ると那奈から事情聴取したり指紋を鑑定に回すなどしていた。
兄は救急車で病院に運ばれた。
兄は怪我はしていたものの脳に異常はなくすぐに退院出来た。
その後警察の調べで那奈の父親が担当していた事件の犯人を追ってて調べで犯人が誰であるか大体の目星は付いていた。