君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 聡一朗さんも私を一瞥するだけでその場を去って行く。
 慌てて私は後を追いかけて、人気がない所で話しかけた。

「あの、ありがとうございました」
「いやいい」

 聡一朗さんは歩みを止めず、前を向いたまま返した。
 そっけないその態度に、私は少し不安になる。

「きちんと拒否すべきだったんですけれど……ごめんなさい」
「謝らなくていい。君がどこの男とどうしようが、俺は別にかまわないから」
「え……?」

 思わず立ち止まった私に、聡一朗さんが振り返った。

「俺が君を愛することはない。だから、他の男と関係を持つことも禁じない」