君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 男子学生は気付いていないようで、なおも私になにか言ってくる。

 けど、耳に入ってこなかった。

 聡一朗さんと見つめ合ったまま、時が止まったように感じていた。

 私は目で訴えていた。

 助けてください。
 触れられたくない、聡一朗さん以外の人からは誰も。

 だって私はあなたの――。

 聡一朗さんがこちらに歩み寄ってきて、男子学生の肩とつかんだ。

「嫌がっているのが解からないか? しつこいのは嫌われるぞ」

 男子学生はぎょっとなって、すかさず私から離れた。

「男女交際は自由だが、学生の本分もわきまえた方がいい」
「は、はい、すみません」

 私と目も合わせないまま、男子生徒はすごすごと去って行った。