君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 ならせめて食事くらいはと思ったけれど、多忙のため食事は不規則になるというので遠慮された。

 たしかに、学内にいる時は学食を利用すればいいし、それ以外ではメディアの取材とか収録の都合で外食する機会がある。

 帰宅も毎日遅いし、帰宅早々、部屋に籠って仕事をすることもある。
 決まった時間に落ち着いて食事……なんて、無理といえた。

 ほぼ、私が一方的に援助を受けて厄介になっているだけだった。

 私も、夜は予習復習と来年度入学を目指しての受験勉強をしなければならないので、部屋にこもったまま、聡一朗さんと顔を合わずに就寝してしまうこともある。

 だから顔を合わせると言ったら朝くらいだけれども、挨拶をしてとつとつと会話をするくらいで、話し相手にもなれていない。

 私の役割って、なんなんだろう。

 私なんかがいて、聡一朗さんのなんの足しになるんだろう。