君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 きっとお姉さんの遺品なのだろう。
 研究用の書籍用の本棚に、数冊の絵本がまとめて収まっていた。

 研究用の書籍に交じって遺品が収まっていることに聡一朗さんの未練を感じて、胸が切なくなった。

 私だって、誰に笑われようが、お母さんが一生懸命作ってくれたトートバックははなみ離さず持っていたいもの。

 じゃあこれもお姉さんの遺品なのかな。

 私は絵本の隣に置かれていたアンティークなデザインの箱に触れてみた。

 優しい感触のするそれは木でできていて、真ん中に鍵穴がある。
 そっと蓋を持ち上げてみたけれど、施錠されているようで開かない。
 聡一朗さんは鍵を持っているのかな……。

 そう思ったその時だった。

「それに触れないで欲しい」