君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

それだけでも問題なのに、ぶつかった拍子に机が揺れて、女生徒さんがかたわらに置いていた紙コップから飲み物が零れてしまった。
そしてそれが開いていたノートパソコンにかかってしまい、画面が動かなくなってしまった。

「ちょっと!? なにやってるのよ!」
「ご、ごめんなさい!」

静かな図書館に、女学生さんの悲鳴が響き渡る。

私はすぐにノートパソコンをきれいに拭いたけれども、画面は固まったまま。
何度クリックしても、カーソルが動かない。

「どうしてくれるのよ! 壊れちゃったじゃないのよ! 弁償してよ!」

大切なレポートを書いていたのかもしれない。
ほとんどヒステリックになりながら、女学生さんは私を責め立てる。
他の利用者からの視線が集まってくる。

これは、言われた通り弁償するしかないかもしれない……。

すっかり委縮してしまいながら「弁償させていただきます」と言おうとした、その時だった。

「強制シャットダウンして再起動はしてみたか?」