君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 最近、こんな表情になってくれることが多くなった気がする。

 利害が一致しただけの冷めた関係として一緒に過ごすことになった私たちだけれど、少しは夫婦っていうものに近付けているって思っていいのかな。

 そう思ったら、なんだかうきうきしてきた。

「あの、今日もお帰りは遅くなるんですか?」

 と、つい大きな声で訊いてしまったら、途端に聡一朗さんの表情が無表情に戻った。

「すまないが、もう少し声を抑えて欲しい」
「……あ、ごめんなさい」
「今夜も会食が入っている。帰りはいつになるかわからないよ」
「はい……」

 私ったら、調子に乗ってしまった。