君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 ざわめきが一気に静まり返る中で、後ろから「やばい、今日もちょーかっこいい」と黄色い声が聞こえる。

 今日の聡一朗さんの格好は、清潔感がただよう白いセーターに長い脚がよく映える濃い色のジーンズ。

 いつもとは打って変わったラフなその姿は、まるで雑誌からモデルが抜け出てきたようだ。

 けれども、パワーポイントを使って始まった講義内容は専門用語が並ぶとっても難しそうなものだった。

 私はちんぷんかんぷんだったけれど、不思議と眠くならないのは聡一朗さんのよく通る張りのある声とパワーポイントを使った巧みな講義展開のせいだろう。

 時折質問を投げかけたり、聴講者に挙手させたり、といった場面があるのもメリハリがあって飽きさせない。

 聡一朗さんの講義が人気なのも解かる気がするなぁ、と私が感心していると、不意にドキっと心臓が高鳴った。

 聡一朗さんと目が合ったのだ。