君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 コンコン。

 ノックの音が聞こえて、

「はい、もう準備できましたよ」
「綺麗な花嫁さんがお待ちですよ」

 と言うスタッフの方に促されながら、聡一朗さんが入ってきた。

 白のタキシードに身を包んだその姿は、いつもよりいっそう毅然としていて洗練されていた。

 まるで絵本から抜け出てきた王子様だ――なんて見惚れていたら、

「……綺麗だ。まるで絵本に出てくる王女様だな」

 と、聡一朗さんの方が先に惚気てくる。

「体調は大丈夫か? ドレスはつらくないか?」
「ええ、不思議と今日は気分がいいの」
「そうか。すでに気遣いができるとは、たいした子だ」
「ふふ、そうね、あなたに似て優秀だわ」

 聡一朗さんの冗談に、私は笑みを漏らして、お腹をそっとさすった。

 今、私のお腹の中には、赤ちゃんがいた。