君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 そわそわしていたら、タクシーはあっという間に会場である大学講堂前に着いた。

 と言っても、少し道が混んでいて予想していたよりも遅い時間になってしまった。

 急いで降車し、講堂入口に駆け込む。

 私は一応関係者ということだから、一般の参列者とは違う動きをしなくてはならず、いったん控室に入ることになっている。
 そこで聡一朗さんとも待ち合わせしていた。

 ええと……一般参列者の経路表示は貼ってあるんだけれど、関係者控室へはどう行けばいいんだろう。

 と、焦りながらきょろきょろしていると、

「あら、お早いお越しね」

 紗英子さんが近付いてきた。

 ちょっと警戒感が芽生えるものの、一方でほっとする。
 彼女なら控室の場所を知っているかもしれない。