君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「そうだ、水かなにか飲むかい? 酔い止めもあるから持ってこよう」

 気を取り直して立ち上がろうとした聡一朗さんの手を、思わず握る。

 媚びるように上目遣いで見上げて、甘えた声でせがんでいた。

「行かないで……」

 一瞬動きを止め、聡一朗さんは座った。
 そして、やさしく微笑んで見せる。

「子どもみたいだな」
「だって」

 私は枕に頭をつけて笑って、つかんだ手をぎゅうと握った。

「聡一朗さんが私の部屋にいるのが、嬉しいんだもの」
「……」
「寂しかった。いつも一人ぼっちだったから」

 聡一朗さんの顔から微笑が消えた。