君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 きっとあの男子院生も私がだいぶ酔っているのを好機と思って手を出してきたのだろう。
 向こうもそうとう酔っていた。
 もしあのまま人気のないところまで連れていかれていたら……。

「あのタイミングで救えて幸運だった。万が一、取り返しのつかないことになっていたとしたら――」

 同じことを聡一朗さんも考えたのだろう。
 それまで穏やかだった様子が、怒りのにじんだピリとしたものに変わる。

 卑劣行為に対する侮蔑というよりもそれは、己の独占欲を揺すぶられたことで表れた雄々しい反応に近い感じがした。

 きゅっと胸がしめつけられる。
 強引に引き剥がされ抱き締められた時の腕の熱さを思い出して、身体が疼く。