君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「なにを笑っているんだい?」

 聡一朗さんが囁くように言った。

 やだ、私つい顔に……。

「ごめんなさい……迷惑をかけたのに、つい嬉しくて」
「嬉しい?」

 驚いたような声音だった。

 ああやっぱり今の私はどうかしている。
 つい本音を漏らしてしまうなんて。

 聡一朗さんは怒ることも呆れるようなこともしなかった。

「むしろ俺の方こそ申し訳なかった。君がああいう場での飲酒が初めてなのは知っていたのに、もっと気にかけてあげるべきだった。すまない」

 私は子どものようにふるふるとかぶりを振る。

「私が未熟だったからいけなかったんです。だから、付け込まれてしまったのだろうし……」