君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 でも、本能でそう喜ぶ一方で、なにを現金な、と頭の片隅で理性が叱咤する。

 終盤に差し掛かっていたとはいえ、まだ祝賀会は開かれていた。
 なのに主役の聡一朗さんが急に退席するなんて、あってはならないことだ。
 しかも酔いつぶれた妻の介抱のためだけにだなんて、聡一朗さんの立場をどれほど悪くしてしまっただろう。

 妻としての役割を担う初舞台がこんなかたちで終わるなんて、申し訳ない。

 ……そう思うのだけれど……どうしても胸が躍ってしまう。

 だって聡一朗さんは体裁よりも、私を優先してくれたんだもの。

 まだ残るふわふわとした酔いが、罪悪感をふやかしていく。

 今の私の理性は、アルコールで麻痺させられているようだ。