君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 手に温もりを感じた。
 朦朧としながら伸ばした私の手を、聡一朗さんがやさしく握ってくれたからだ。

 ズキズキと痛む頭で思い返す。

 そうだ、私は倒れてしまって……。

 それからのことは、途切れ途切れの記憶として覚えている。

 聡一朗さんが私を抱き止めながら、誰かになにか言って――タクシーに乗せてくれて。

 私はずっと聡一朗さんにもたれていて、その間もずっと聡一朗さんは声を掛けてくれたり、やさしく頭を撫でてくれたりした。

 そして、お姫様のように抱きかかえて自宅まで運んでくれて……。