君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「怖い思いをさせたな……。すまない、独りにさせるつもりはなかったんだが」
「違うんです……」

 ふるふると私は懸命にかぶりを振る。

 聡一朗さんが来てくれた。

 『二度と俺の妻に近付くな』

 そう言って守ってくれたことに、ただ胸がいっぱいで――。

「もう帰ろう。君は疲れている」

 囁くように言って、引き離そうとした彼の腕を、私は無意識につかんでいた。

「離さないでください」