君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 つん、と鼻の奥が痛んだ。

 愛されたい。

 私は聡一朗さんに愛されたい。
 ただ唯一の大切な存在として、守られたい。

 君は俺だけのものだと、独占されたい。

 自然と抵抗する力が消えていく。

 聡一朗さんだけに触れられることを許した背中に、乱暴に手を回され、抱き寄せられる――。

 不意に、身体の自由がきかなくなった。

 抱き寄せられた身体がそれより強い力に引き離され――次の瞬間には、長い腕にしっかりと抱き締められていた。

「貴様、誰の妻に手を出している?」

 低い声が頭上で聞こえた。

 聡一朗さんのだと分かるまで、時間が必要だった。
 それほどに彼の声は重く荒く、怒りに満ちていた。