君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 ただでさえなんの取り柄もない私。
 聡一朗さんの迷惑になることだけはしたくない。

 それに……私が他の男の人どうしようが、聡一朗さんはなんとも思わないはずだ……。

 以前にもこんな場面があった。
 あの時は、たまたま聡一朗さんが助けてくれたけれど、

『俺が君を愛することはない。だから、他の男と関係を持つことも禁じない』

 冷たい言葉が記憶に甦る。

 そうだ。
 聡一朗さんにとって、私はただのお飾り。
 愛される魅力もない、幼くて無教養な小娘だ。

 それでもいい。
 私があの人を愛せれば、それだけでいい。

 そう思っていた。
 大好きだったあの絵本の中の女の子のように、ひたむきに愛する人と向き合えればそれでいい、と。

 でも無理だ。